夏の祭典’2017
こんにちは。佐々木です。
毎年恒例ブログネタのひとつである鈴鹿8時間耐久レース。
今年も同郷(北海道)出身のライダー吉道竜也選手のマネージャーとして、お手伝いに行ってきました。
まずは7月27日(木)公式車検から。
今年お手伝いさせていただいたのは、奈良県に構えるチームで「DOG HOUSE BOM KOOD」。
小雨が降る中、スズキの1000ccを押して車検場へ向かいました。
んが、しかし・・・
詳しくは書きませんが、車検で弾かれてしまいました!
Oh! ジーザス・・・重たいバイクを押して、ピットと車検場を行ったり来たり・・・(笑)
ちなみに、鈴鹿8耐は「FIM世界耐久選手権」という国際格式のレースです。
世界中のメディアに配信され、また厳密な車両規定が定められています。
つまり、レーシングディレクターと呼ばれる手前の ハゲ親父 ・・・いや失礼、英国人紳士がOKを出さない限りレースに出場できません。
型遅れの車両でエントリーしている我がチームにとっては、技術的に困難な問題が突きつけられました。
「こりゃヤバい、ピンチだ」。
もし、ディレクターが首を縦に振らない時には・・・仕方がない、侍ビジネスマンの必殺技。夜の街で「おもてなし」でもするか?
いや、ちょっと待て。イギリス人が四日市の街で満足してくれるのか?
少し遠いが、名古屋の錦の方が間違いないのでは?
一部スタッフの間で緊急ミーティングが始まりました。
しかし、そんな議論は徒労に終わります。
英語が堪能な我がチーム監督の活躍により24時間の猶予が与えられ、無事に公式練習に参加することができました。
監督、カッコ良かったぜ!
北海道弁と三河弁しか喋ることができないワタクシは、鈴鹿のパドックで語学の大切さを思い知る事になりました。
さて、午後からは公式練習に挑みます。
ここで予選に向けたセッティングの確認を行う予定だったのですが、オーバーホールしたリアサスペンションに問題が発生。
総合順位は下位に沈んでしまいました。
2週間前の合同テストが順調だっただけに、ライダーの表情が曇ります。
明日は公式予選。「前日に問題が明らかになって良かった…」と思う他ありませんでした。
明けて7月28日(金)
いよいよ各チームのレースクイーンも登場し、華やかな雰囲気の中で公式予選が始まりました。
まずは第1ライダー岩谷選手。
流石はエースライダーです。昨日起きたサスペンションの問題を確認/調整しながら、確実にタイムを削っていきました。
続いては第2ライダー安福選手。
セットアップに不安がなくなったバイクでタイムアタックに入ります。
そして、借り物のドノーマルのエンジンを 2分15秒台へ運んで見せました。
湧き立つスタッフたち!「もう十分だ。転ぶ前にピットインのサインを出してやろうか?」
そんな冗談を言い合っていたところ、本当に安福選手が帰ってきません・・・。
外部からの情報によると1コーナーで激しく転倒し、バイクは縦回転した模様です!
ライダーはメディカルセンターへ搬送。
私はレッカー車で運ばれてきたバイクを引き取りに(運動不足の監督のお尻を押して)回収場所へ走りました。
そこで対面したバイクは・・・激しく損傷していました。
しかし、時は待ってくれません。 間もなく第3ライダー吉道の出番です。
早くバイクを修復して予選を走らせなければ!ハンドルが折れて掴むところが無いバイクを台車に乗せて、全力でピットへ走りました。
(今年ほどバイクを押して走った8耐は記憶にありません・・・)
さぁ、ここからピット内は戦場です。
ウチのメカニックだけではなく、隣のピットにいた某チームのベテランメカニックまでもがヘルプに入り、一斉に修復作業が始まりました。
チームの垣根を越えて、吉道を予選に送り出すために皆が必死でバイクを修復します。
しかし、無情にも時は過ぎ、第3ライダーの予選が始まってしまいました。
こういう時、普通の人間は慌てるものです。
「吉道~!準備しとけ~!」ベテランメカニックが叫びます。
しかし、1987年からレースを走り続けているライダー吉道は冷静なものでした。
いつ準備ができても走れるよう、集中を保ち続けているように見えました。
そして予選開始から5分が経過した頃、ついにエンジンに火が入りました。
「(タイヤ)ウォーマー外せ~!」。ベテランメカニックが再び吠えます。
一秒でも早く吉道をコースに送り出したいワタクシが、タイヤウォーマーを取外しにかかりました。
しかし・・・リアホイールがビクともしません!ウォーマーが外れません!
どうした? トラブルか? 何か引っ掛かっているのか?
ふと目線を上げると・・・そのベテランメカニックさん、リアブレーキをガッツリ踏みつけたまま、鬼の形相でエンジンの暖機運転を行っているではありませんか・・・。
ブレーキが効いてちゃ、ホイールは回りません。
「もしもし・・・その足、外していただけませんか?・・・」そう言い終わる前に、三度吠えるメカニック。
「どうした~!早くウォーマー外せ~!」
・・・もうええわ。
もし、ワタクシが10代の頃ならば「その臭い足どけろ!クソジジイ~!」とか言い返していそうなものですが、今や46歳(一児の父)。
今日は笑いのツボに入ってしまい、爆笑を抑えるのに必死でした。
FIM世界耐久選手権 最終ラウンド「鈴鹿8時間耐久レース」。
人間、究極に集中し過ぎると周りが見えなくなるものですね。
ちなみに、この頃を境にワタクシは壊れ始めます。
息つく暇のない今年の8耐が、楽しくて仕方がなくなりました。
7月30日(日)
決勝の朝:スターティンググリッドへ機材を運ぶと、7万4千人の観衆が見守る中で大会セレモニーが始まっていました。
お祭りの始まりは、いつ見ても華やかです。
調子に乗ったワタクシは、岩谷君が不在のスキに「第一ライダー」のポジションで記念写真に収まってきました。
美女に囲まれ、満面の笑みをたたえるワタクシ。
15歳の時に憧れた「鈴鹿8耐のスターティンググッドにつく」という夢を、31年かかって本日成就?させました。
もっとも、遊んでいられるのはこの時間だけです。
決勝レースがスタートすると、ドノーマルのエンジン搭載の我がチームはトップスピードが伸びず苦戦します。
同じスズキを駆るトップチーム、ヨシムラさんのマシンは決勝レース中でも時速300kmを軽々とオーバー。
あれ、化け物です。
対する我がチームはせいぜい278km止まり・・・。
少しサボる・・・いや、ミスすると270km位までトップスピードが落ちてしまいます。
直線で楽できない分、ライダーたちにかかる負担は大きくなってしまいます。
しかも、今年の8耐は小雨が降ったり止んだりの難しいコンディションでした。
夏らしくない低い路面温度。そして耐久ならではのロングスティント。
トップライダーの転倒が相次ぐ中、なんと我がエース岩谷選手も転倒してしまいました!
幸いダメージは深刻なものではなく、修復作業を行った上で再スタート。
ところが、ライダー交代してポジションの回復を狙った吉道も他車と接触し転倒!
このウィークに入ってから、ライダー3人が仲良く転倒を喫してしまう結果になりました。
それでも、メカニックやチームスタッフの頑張りもあり、粘り強く走り続けたチームDOG HOUSE。
夕闇が迫る中、最後のライダー交代を終えて岩谷選手がピットアウトしていきました。
そして19:30 8時間を走り切りチェッカーフラッグが振られました。
我がDOG HOUSEの成績は、183周/総合結果は50位完走。
ライダー/スタッフ総出で岩谷選手の帰還を祝福しました。
ほどなく、メインスタンドでは表彰式が始まりました。
コース上に流れ出す観衆。
総合優勝したヤマハファクトリーチームが喝采を浴び、興奮は最高潮に達します。
その頃ワタクシは・・・
・・・屍と化していました。
連日の日帰り出張。 深夜に事務仕事を済ませ、早朝鈴鹿へ戻る日々。
決勝当日は、2年連続で一睡もしていません。
誰が勝ったか?なんて興味なし。自分の仕事をやり切りました。
頼む!お願いだから花火が上がるまで寝かせておくれ。
そして、お待ちかねの花火が打ち上がりました!
人/物/お金。足りないものばかりのプライベートチーム「 DOG HOUSE 」。
だからこそ、花火を見上げる皆の顔は、やり切った満足感と笑顔でいっぱいでした。
ワタクシも、現場復帰して以来、一番充実していたと思います。
何せ、コキ使われましたから(笑)
岩谷君、充実した時間を提供してくれてありがとう。とっても楽しかったです!
「来年も一緒にやりたい」と言ってくれた時は、心底嬉しかったです。
ワタクシも同じ事を考えていましたから。
また、美味しいケータリングを作ってくれた女性スタッフの皆さん、ありがとうございました。
おかげさまで激務にもかかわらず、8耐終了後の体重が増加しておりました。
白状すると、最終日おにぎりを20個くらい食べたのはワタクシです。
最後に、レーシングチームDOG HOUSEにかかわる全ての皆様、ありがとうございました。
またいつか、一緒にやりましょう!
できれば、そのうちワタクシをライダーで使ってくれると嬉しいのですが・・・(あ、言っちゃった)。
さて、年に一度。家族を顧みずに好きな時間を過ごすワタクシのイベントは終了しました。
明日からは家族と過ごす夏休みのイベントを考えます!
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